「TANGLEWOODの音楽フェスティバル」

 六月には、一泊でTANGLEWOODの音楽フェスティバルを聞きに出かけた。当時のボストン交響楽団の指揮者は勿論小澤征爾であり、広い公園の真ん中にオープン・スペースの屋根付きステージがあり、そこで楽団は音楽を演奏する。周囲は芝生となっており、我々は芝生に寝転がって、小沢の音楽を楽しむことができた。長男はストローラーに乗ったままで大丈夫である。セントラル・パークでも野外音楽堂で芝生に座ってチャイコフスキーの『一八一二年』を聞いたことがあり、最後は花火が終楽章を飾ったのを見た記憶があるが、日本とは異なり色々な音楽の楽しみ方が、米国にはあるものだと感じ入った。小澤征爾と言えば、父親が満州事変に絡んだ服部征四郎と石原莞爾を尊敬しており、その名前から征爾と名付けたことで有名であるが、小澤征爾時は先日のテレビ(二〇一九年九月二二日)のインタビューで、「殻を破って外へ出るというエネルギーが大切である」と語っていた。ヘッセも『デミアン』の中で、次のように記述している。

 「鳥は卵の中から抜け出ようと戦う。

 卵は世界だ。

 生まれようと欲するものは一つの世界を

 破壊しなければならない。

 鳥は神に向かって飛ぶ。

 神の名はアプラクサクという。」

*アプラクサス : ヘレニズム時代に、アレクサンドリア周辺で最高神として崇められた。

TANGLEWOODの音楽フェスティバル


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