「言葉のオアシス その2」
<一九八三年一〇月から、一九八七年五月までの読書>
「学道の人は人情を棄べきなり。人情を棄ると云ふは、佛法に随ひ行くなり。」
「玉は琢磨によりて器となる。人は錬磨によりて仁となる。いづれの玉か初より光ある。誰人か初心より利なる。必ずすべからくこれ琢磨し錬磨すべし。」
道元禅師 懐奘編 和辻哲郎校訂 『正法眼蔵随聞記』
「学問の道は気質の陶冶にあり。知識の収集にあるのではない。」
司馬遼太郎 『峠』
「一切は変化し流転してやまぬ。われわれはこの永遠の流転の中にあって、何か流転しないもの、動かないもの、常住静かに渝ることなく存在するものを無意識に求めているのではないか。」
「非常に美しいものは、必ずわれわれを讃嘆のあまり沈黙させずにはおかぬということを忘れてはならぬ。」
高橋 義孝 『すこし枯れた話』
「光を所有することで自己を改造したいという欲望。それが愛である。」
「愛が人生に豊かな収穫を与えるためには、その愛が理性に耐えうるもの、そして時間に耐えうるものでなくてはならぬ。」
福永 武彦 『愛の試み』
スクロヴェーニ礼拝堂 パドヴァ (大塚国際美術館)
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